残されたもの

しばらくして、弁護士から連絡があった。
遺品整理で残されたものをお渡しします、と。

 

事務所に出かけ渡されたものは、医療や介護の保険者証、身分証明書、現金、通帳、印鑑に貴重品、生命保険の証書…

まとめて、紙袋一つ分。

 

あの部屋から、細かい、これらのものを探し出してくれたのには感謝するが、それにしても、渡されたものがこれだけとは。

 

銀行に出向いて口座の停止をお願いするとともに、取引の残額を確認したところ、すでに、NPO法人から、葬儀費用や部屋の片づけ費用が引き落としされていた。

 

仕方がないとはいえ、葬儀や後片付け費用に親族意志は反映されていない、な。